【先読み】東証改革でグロース株反転の兆し⁉
現在、グロース株は下落中で年初来安値を記録しています。この記事では、東京証券取引所(東証)の最新のフォローアップ会議(第16回)で取り上げられたグロース市場の改革について詳しく解説し、その影響を考察します。
久さしぶりやな そもそも日本のグロース市場って何なんや?
最近になってできた市場なんだ
分かりやすくまとめたからみてみようか
目次
東証グロース市場指数とは?
東証グロース市場指数は、東京証券取引所(東証)のグロース市場に上場する全銘柄を構成銘柄として、時価総額加重方式により算出される株価指数です。
簡単に言うと、東証グロース市場全体の株価の動きを表す指標です。
東証グロース市場は、2023年4月4日に東証マザーズ市場とJASDAQグロース市場を統合して誕生した市場で、成長性の高い企業を中心とした約470社が上場しています。
指数の特徴
- 算出開始は2023年4月4日
- 基準値は1,000
- 算出方法は、時価総額加重平均方式
- 監査法人:KPMGあずさ監査法人
グロース市場の現状
5月21日に行われた東証のフォローアップ会議では、グロース市場の現状と今後のフォローアップについて議論されました。会議で明らかになった主な問題点は以下の通りです。
- 新規上場企業の規模の小ささ
新規上場時の時価総額の中央値は約60億円で、資金調達額も小規模な状況です。さらに、上場企業の約半数は時価総額が成長していないことが指摘されています。 - 成長率の低さ
グロース市場に上場している企業の時価総額成長率の中央値はわずか1.03倍で、ほぼ成長が見られない状況です。これはインフレ率を考慮すると、実質的には価値が下がっていることを意味します。
改革の具体策
東証はこれらの問題を解決するため、以下の6つの具体策を提案しています。
- 上場理由などの開示の促進
新規上場時の事業計画や成長戦略の明確化を図り、IPOの目的を明確にします。これにより、投資家が企業の将来性をより正確に評価できるようになります。 - 上場準備に関する正しい理解の促進
上場準備の相談環境を整備し、企業が適切に準備できるようサポートします。これにより、上場後の計画達成率が向上することが期待されます。 - 投資家への積極的な情報発信の促進
IR活動を通じて企業の成長ストーリーを積極的に発信し、投資家に理解を深めてもらいます。具体的には、投資家向け説明会や個別面談の実施が推奨されています。 - 機関投資家への情報発信
IRの基礎知識や機関投資家の目線を紹介するセミナーを開催し、企業のIR活動を支援します。これにより、機関投資家の関心を引き、資金調達が円滑に進むことが期待されます。 - 上場基準の引き上げ
上場基準を段階的に引き上げ、企業の成長意欲を高めます。例えば、上場10年後の時価総額基準を現行の40億円から100億円に引き上げるなど、具体的な基準変更が検討されています。 - プロ市場の活用
東京プロマーケットの活用を促進し、プロ投資家の取引を活性化させます。これにより、より高度な投資環境が整備され、質の高い企業が上場することが期待されます。
改革の影響
これらの改革が実施されると、グロース市場に以下のような影響が予想されます。
- 質の高いIPOの増加
成長意欲のある企業のみが上場するようになり、投資家にとって魅力的なIPOが増えるでしょう。これにより、グロース市場全体の質が向上します。 - 市場全体の信頼回復
上場基準の引き上げやIR活動の強化により、投資家の信頼が回復し、市場全体の活性化が期待されます。これにより、個人投資家の参入も増加するでしょう。 - M&Aの活発化
資金を効率的に活用するために、企業間のM&Aが増加する可能性があります。特に、上場基準を満たすために成長戦略を再検討する企業が増えると考えられます。
まとめ
東証のグロース市場に対する改革は、日本の株式市場全体にとって重要なステップです。これらの改革が実施されることで、グロース市場が再び成長し、投資家にとって魅力的な投資先となることが期待されます。今後も東証の動向に注目し、最新情報を追い続けていきます。
コメント