【2024年版】高配当株SPYDとは?最新情報を基に徹底解説!
SPYDは、アメリカの資産運用会社「State Street社」が提供するETFで、S&P500高配当指数をベンチマークとしています。
SPYDの配当利回りは過去5年間にわたり4~5%の範囲で安定しており、投資対象として注目されています。本記事では、SPYDの特徴、過去の株価推移、構成銘柄などを詳しく解説します。
高配当ETFへの投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
SPYDとは?
正式名称 | SPDR®ポートフォリオ S&P500®高配当株式ETF |
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ティッカー | SPYD |
運用会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ (SSGA) |
市場 | ニューヨーク証券取引所 (NYSE ARCA) |
設立年 | 2015年10月21日 |
ベンチマーク | S&P500高配当指数 |
投資対象 | S&P 500指数に含まれる高配当株 |
組入銘柄数 | 約80銘柄 (指数構成は年1回見直し) |
経費率 | 0.07% |
配当利回り | 約4.6% |
純資産額 | 約68億USD |
主なセクター | 金融、エネルギー、ヘルスケア、素材、通信など |
分配金頻度 | 四半期ごと(3月、6月、9月、12月に分配金支払い) |
SPYDの上位組み入れ銘柄
銘柄名 | ティッカー | 業種 | 構成割合 |
---|---|---|---|
パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ | PEG | 公共事業 | 1.60% |
ハズブロ | HAS | 消費財 | 1.56% |
インターナショナル・ペーパー | IP | 紙・包装製品 | 1.52% |
ドミニオン・エナジー | D | 公共事業 | 1.48% |
シティグループ | C | 金融 | 1.47% |
アイアン・マウンテン | IRM | 不動産 | 1.47% |
ウィリアムズ・カンパニーズ | WMB | エネルギー | 1.46% |
フィリップ・モリス・インターナショナル | PM | タバコ | 1.45% |
ニューウェル・ブランズ | NWL | 消費財 | 1.45% |
パラマウント・グローバル | PARA | メディア・エンターテイメント | 1.45% |
SPYDの上位組み入れ銘柄には、公共事業や消費財、金融、不動産、エネルギー、タバコ、メディア・エンターテイメントなどが含まれており、それぞれが独自の特性と強みを持っています。
例えば、公共事業のパブリック・サービス・エンタープライズ・グループ (PEG) やドミニオン・エナジー (D) は、安定した収益と配当を提供し、長期的な安定性を求める投資家に適しています。また、シティグループ (C) のような金融銘柄は、経済成長の恩恵を受けやすく、高い成長ポテンシャルを持っています。さらに、フィリップ・モリス・インターナショナル (PM) やニューウェル・ブランズ (NWL) といった消費財銘柄は、ブランド力と高い配当利回りが魅力です。
SPYDセクター別構成比率
- 公共事業(約21.6%)
電気事業者、ガス事業者、水道事業者などが含まれる
安定的な収益と配当を特徴とする - 金融(約16.1%)
銀行、保険会社、証券会社などが含まれる
経済成長の影響を受けやすい - 不動産(約14.6%)
REIT(不動産投資信託)、不動産開発会社などが含まれる
金利変動の影響を受けやすい - エネルギー(約11.5%)
石油・ガス会社、電力会社などが含まれる
原油価格の影響を受けやすい - 消費財(約11.3%)
食品・飲料会社、小売業者などが含まれる
消費者の景気動向の影響を受けやすい - ヘルスケア(約8.6%)
医薬品会社、医療機器メーカーなどが含まれる
高齢化社会の進展により、安定的な成長が見込まれる - 情報技術(約7.7%)
コンピュータハードウェア・ソフトウェア会社、インターネット関連企業などが含まれる
技術革新の影響を受けやすい - 素材(約5.8%)
化学会社、鉄鋼メーカーなどが含まれる
経済成長の影響を受けやすい - 通信(約3.9%)
電話会社、通信事業者などが含まれる
技術革新の影響を受けやすい - その他(約15.0%)
具体的に自動車・航空宇宙・衣料品・小売・レジャー・建設・公共サービスこれらがその他のセクターに当たる
公共事業、金融、不動産、エネルギーなどの高配当セクターが上位4つを占め、全体の約64%を構成しています。
これらのセクターは、景気変動の影響を受けにくい安定的な収益と配当を特徴としており、SPYDの⾼い配当利回りを支える要因となっています。
SPYDと他の高配当ETFとの比較
ティッカー | SPYD | VYM | HDV |
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運用会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ | ヴァンガード | ブラックロック |
設定日 | 2015年10月21日 | 2006年11月10日 | 2011年3月29日 |
ベンチマーク | S&P 500 High Dividend Index | FTSE High Dividend Yield Index | Morningstar Dividend Yield Focus Index |
銘柄数 | 約80銘柄 | 約440銘柄 | 約75銘柄 |
経費率 | 0.07% | 0.06% | 0.08% |
純資産額 (USD) | 約68億 | 約3,100億 | 約75億 |
配当利回り (2024) | 約4.6% | 約3.0% | 約3.5% |
主なセクター | 不動産、公益事業、金融 | 金融、ヘルスケア、消費財 | ヘルスケア、エネルギー、通信 |
分配金支払頻度 | 四半期ごと | 四半期ごと | 四半期ごと |
VYMは、約440銘柄に分散投資しており、安定したパフォーマンスが期待できます。広範な分散投資により、リスクが低減されるのが大きなメリットです。
VYMについてはこちらの記事で詳しく書いていますぜひ見てみてください。
HDVは、SPYDと同様に約75銘柄に投資していますが、セクターの分散が優れているため、より安定したパフォーマンスを提供します。ヘルスケアやエネルギー、通信などの堅実なセクターに投資しています。
SPYDは、配当利回りが約4.6%と最も高く、配当重視の投資家には魅力的です。しかし、不動産セクターの比重が高いため、パフォーマンスの安定性には若干の不安があります。配当利回りを重視するならSPYD、株価の安定性を求めるならVYMやHDVが適しています。
配当によるインカムゲインだけでなく、株価上昇によるキャピタルゲインも狙いたい場合は、SPYDよりもVYMやHDVが良い選択肢です。投資目的やリスク許容度に応じて、最適なETFを選びましょう。
高配当ETFチャートの比較
2024年1月1日から6月までの半年間で、HDV、VYM、SPYDのキャピタルリターンは
HDV: +7.4% VYM: +6.67% SPYD: +3.01%
この結果から、HDVが最も高いキャピタルリターンを記録し、次いでVYMが安定した成長を見せました。SPYDは高配当利回りを誇るものの、キャピタルリターンでは他の2つのETFに劣る結果となりました。
やはり配当利回りを重視する場合はSPYDが魅力的ですが、株価の成長を重視する場合はHDVやVYMの方が適しています。
SPYDのメリット
高水準の配当利回り
SPDに投資する最大のメリットは、配当利回りが高いことです。直近の配当利回りは約4.6%と非常に魅力的で、ここ5年間も4%~5%の配当利回りを実現しています。
配当金は、再投資に利用して資産を増やすこともできますし、日々の生活費として使うこともできます。実際に、配当金だけで生活している人も少なくありません。
例えば、配当利回りが5%の場合、セミリタイアを目指して3,000万円を投資すると、年間で約150万円の配当金を受け取ることができます。(3,000万円 × 0.05 = 150万円)この配当金を活用することで、働く時間を減らし、自由な時間を増やすことができます。
セミリタイアしてぇ。。。。。
少額から投資できる
SPYDは、2015年設立の比較的新しいETFです。そのため、2024年6月時点での価格は約40ドルと、まだ手頃な価格帯にあります。
ETFは1株から購入できるため、1ドル155円の現在の為替レートで換算すると、SPYDは約6,200円で購入可能です。一方、VOO(ヴァンガード・S&P500 ETF)は現在約490ドルで、1株買うのにSPYDの10倍以上で約76,000円が必要です。
このように、少額から投資を始めたい方にはSPYDが最適です。
また、SPYDの経費率は年率0.07%と業界最安水準なので、取引コストを抑えながら運用できるのもメリットです。
SPYDのデメリット
景気変動に弱く、不況時に大きく下落する可能性
SPYDのデメリットの一つは、景気変動に敏感で、不況時に大きく下落する可能性があることです。特に金融や不動産セクターに多く投資しているため、不景気の影響を受けやすいです。不況時には、不動産業界では不動産価格が下落し収益が減少し、金融業界では企業が借り入れを控えることで金利が下がり、金融機関の収益が悪化します。業績の悪化により、配当金が減少する可能性もあり、最悪の場合、減配や無配となるリスクがあります。これにより、SPYDの最大のメリットである高い配当利回りが維持できなくなる恐れがあります。景気変動の影響を考慮しつつ、投資のタイミングやリスク管理を行うことが重要です。SPYDへの投資を検討する際は、このようなリスクも理解した上で判断しましょう。
キャピタルゲイン狙いには不向き
SPYDは、配当金を重視した商品設計がされているため、株価が上がるのを待って売却益を狙う運用には向いていません。特にSPYDは、高配当利回りを提供する銘柄に焦点を当てているため、成長株よりも安定した収益を生む成熟企業が多く含まれています。このため、株価の急上昇を期待するのは難しいでしょう。
まとめ
SPYDは、手頃な投資額から始められるので、投資初心者にもおすすめです。景気変動の影響を受けやすい面もありますが、不況期に割安な価格で追加購入することで、景気回復時には高いリターンが期待できます。配当収益を重視した構成になっているため、定期的に配当を受け取りながら資産を着実に育てることができます。
安定した収益を求めるなら、SPYDは検討する価値があります。高配当利回りと信頼性を兼ね備えたSPYDは、安心して長期的に保有できる投資先です。新NISAの成長投資枠の選択肢として、ぜひ一度SPYDへの投資を検討してみてください。