【2026年 日本株投資戦略】マクロの視点と「勝ち馬」に乗るセクター選定の極意

「2026年の日本株は、結局のところ買いなのか、売りなのか?」
多くの個人投資家が今、この問いに直面しています。日経平均株価が史上最高値圏で推移する一方で、市場には「高値警戒感」と「さらなる上昇期待」が入り混じっています。
特に2026年は、干支の相場格言で「午尻下がり(うまじりさがり)」と言われ、歴史的に株価が反落しやすい年とされています。しかし、相場の格言だけで投資判断を下すのは危険です。なぜなら、企業の稼ぐ力(EPS)の成長や、世界的なインフレ定着による株価水準の切り上げという構造的な変化が起きているからです。
この記事では、表面的なニュースやノイズに惑わされず、2026年の市場環境を冷静に読み解くための「投資の軸」を提供します。マクロ経済の潮流から、具体的に狙うべきセクターの考え方、そしてリスク管理まで、分かりやすく解説します。
■主な証券会社の比較表
1. 2026年の市場を取り巻く「2つの大きな潮流」
個別銘柄を選ぶ前に、まずは大局観(マクロ視点)を持つことが重要です。2026年の日本株市場は、以下の2つの相反する力によって動くと考えられます。
① 実体経済の強さ:EPS成長とインフレ定着
日本株を支える最大の要因は、企業の「稼ぐ力」の向上です。2026年の日経平均採用銘柄の予想EPS(1株当たり利益)は3,000円台に乗ると予測されており、前年比で約10%の成長が見込まれています 。
また、これまでのデフレマインドから脱却し、インフレ社会への移行が進んでいます。かつての日経平均PER(株価収益率)は11〜16倍が定着していましたが、インフレや政策期待により、19倍〜20倍といった高いバリュエーションが許容される「新たなステージ」に入りつつあります 4。
円安基調が続くことで輸出企業の業績が下支えされる構造も健在であり 、基本シナリオとしては「企業業績の拡大に伴う株価上昇」が期待できる年と言えるでしょう。
② 地政学リスクの変質:「法の支配」から「力の支配」へ
一方で、無視できないのが世界情勢の激変です。特に米国を中心とした「力の論理」への回帰が鮮明になっています。
象徴的なのが、トランプ政権下でのベネズエラ・マドゥロ大統領への軍事攻撃と拘束です 。米国はこれを「麻薬テロ対策(法執行)」と位置づけていますが 、国際法的には主権侵害の疑いが強く、法の支配よりも「自国の裏庭(西半球)から中国・ロシアの影響力を排除する」という実力行使が優先された形です。
これは単なる一国のニュースではありません。「大国が自国の安全保障や資源(石油利権など)確保のために、武力行使を辞さない」というリスクが、2026年の世界のスタンダードになり得ることを示唆しています 。この「力の支配」による緊張感は、原油や金(ゴールド)価格の上昇要因となり、株式市場に突然のボラティリティ(変動)をもたらす可能性があります 。
2. 「セクター視点」で考える:2026年の主役と脇役
マクロ環境を踏まえた上で、どのセクター(業種)に資金を振り向けるべきか。2026年は「成長」と「防衛」のバランスが鍵になります。
① 本命:AI・半導体と「フィジカルAI」
依然として市場の牽引役となるのは、AI(人工知能)および半導体セクターです。しかし、単にチップメーカーを見るだけでは不十分です。
注目すべきは、AIデータセンターの稼働に必要な「物理的なインフラ(フィジカルAI)」です。膨大な電力を消費するデータセンターには、高度な電気設備や電力供給網が不可欠です。そのため、半導体製造装置だけでなく、電気工事会社や電線メーカーといった周辺産業への波及効果(裾野の広がり)に注目が集まっています。
② 対抗:金融・金利メリット
日本国内においても金利ある世界への移行が進む中、銀行や保険などの金融セクターは引き続き重要な投資対象です。金利上昇は金融機関の利ざや改善に直結するため、ポートフォリオの安定感を高める役割が期待できます。
③ リスクヘッジ:エネルギー・資源
前述した地政学リスクの高まりを受け、エネルギー関連株は「守りの資産」として機能する可能性があります。
ベネズエラのような産油国で政情不安や内戦リスクが高まれば、原油価格が上昇します。また、「力の支配」による分断が進む世界では、戦略物資や資源を持つ企業の価値が見直されます。株価が下落した局面でのエネルギー株や商社株の押し目買いは、有効なリスクヘッジ戦略となり得ます。
3. 具体的な投資戦略とタイミング
「何を買うか」と同じくらい重要なのが「いつ買うか」です。2026年の波を乗りこなすための戦略を提示します。
短期戦略:2月〜3月の調整局面を狙う
市場関係者の多くは、2026年前半、特に2月から3月にかけて株価が調整する(下落する)可能性を警戒しています。
- 理由: 過去の事例(VIXショックやコロナショック等)を見ても、この時期は市場が不安定になりやすいアノマリーがあります 。
- アクション: 年初から高値を追いかけるのではなく、4万1,000円〜4万5,000円近辺まで調整した局面こそが、優良銘柄を仕込む絶好のチャンスとなるでしょう。
中長期戦略:日経平均6万円への道筋
調整を経て、年後半に向けては上昇基調に戻るシナリオが有力です。EPS成長とPERの切り上げが機能すれば、日経平均は5万5,000円、強気シナリオでは6万円の到達も視野に入ります。
ただし、一直線に上がるわけではありません。5万円の壁を突破した後、その水準がサポートライン(下値支持線)として機能するかを確認する期間が必要です。
- アクション: 短期的な乱高下に一喜一憂せず、「インフレ時代の資産防衛」として、積立投資や分散投資を淡々と継続することが、資産格差が広がる時代において取り残されないための最良策です。
4. 陥りやすい罠とリスク管理
情報過多の時代、投資家が最も警戒すべきは「自分を見失うこと」です。
「バブル論」と「悲観論」のバランス
AIブームに対して「バブルではないか?」と懸念する声もあります。一方で、投資をしていない層は「高すぎて買えない」と指をくわえて見ている間に、株価がさらに上昇してしまう現象が起きています。
重要なのは極端な楽観も悲観もしないことです。
- 「下がったら損切りする」というルールをあらかじめ決めておく。
- 「暴落が来たらバーゲンセール」と捉える資金的・精神的な余裕を持つ。
地政学リスクの「質」の変化
米国が「法の支配」を軽視し、自国利益のために直接的な軍事行動(要人の拘束など)に出るケースが増えれば、これまでの国際秩序を前提としたビジネスモデルが通用しなくなる企業が出てくるかもしれません。
特に海外売上比率が高い企業については、その進出先が「米国の勢力圏」なのか、それとも「対立軸にある国」なのかを精査する必要があります。
5. まとめ:2026年を「飛躍の年」にするために
2026年の日本株投資で成功するためのポイントを整理します。
- 「午尻下がり」のジンクスに怯えない: 企業の稼ぐ力(EPS成長)は本物であり、インフレが株価を押し上げる土壌は整っています。
- マクロとミクロの視点を使い分ける: 「AI・半導体」の成長を取り込みつつ、「エネルギー・金融」で地政学リスクや金利変動に備えるバランス感覚が重要です。
- 「押し目」を待つ忍耐力: 2月〜3月などに予想される調整局面は、恐怖ではなく「仕込み時」と捉えてください。
- 国際情勢の変化に敏感になる: 米国を中心とした「力の論理」が市場に与える影響(原油高、サプライチェーン分断)を常にウォッチリストに入れておきましょう。
投資の世界では、参加する人としない人の格差が確実に広がっています 。2026年、市場のボラティリティを味方につけ、冷静かつ戦略的に資産を育てていきましょう。




コメント